ふとした瞬間、あの言葉がよみがえる。何気なく言われた一言なのに、なぜかずっと胸に引っかかっている。
その時は全く気に止めなかったのに、帰り道ひとりになると重くのしかかってきた。自分でも、どうしてこんなに気になるのかが分からない、ずっと心の中に小さなトゲみたいなのが残っている。
「 気にしすぎ 」って、また言われたり思われるのが嫌で誰にも話せずにいた。心の奥では少し誰かに気にかけて欲しい思いと、なにより言葉が欲しかった。
「そんなふうに感じてたんだね」それだけでよかった。いつの間にか時が経つにつれ、自分の気持ちを押し殺すことが当たり前のようになっていた。
何気ないひと言が、ずっと心に残ってしまうことがある。それは、僕の心が弱いからじゃない。ちゃんと心が反応し、しっかりと向き合ったから。「自分が悪い」と思い込む前に、そう感じた自分を、否定しないよう思うようにした。
同じ言葉でも、受け止め方はひとつじゃない。あの人にとっては何気ない冗談でも、僕には大切な境界線だったのかもしれない。
「気にしないようにしよう」と無理に流すより、心に残ったという事実を、そっと受けとめてみた。
すぐに忘れられないのは、弱さじゃなくて優しさかもしれない。気づきすぎる自分も、反応してしまう自分も、誰かの痛みに気づける力だと思う。
その言葉が今も胸にあるのは、ちゃんと自分が感じていた証だから。少しずつ自分の繊細さを受け入れ、誇れるように歩もう。
『 繊細 は 強さ 』 なのだから