第47話:“普通“じゃない僕を、認めてみた日

大人の 絵本

「なんでみんなみたいにできないんだろう」昔からずっとそう思ってきた。集団行動が苦手で、雑談の輪にも入れず、場の空気を読むのに異常なくらい疲れる

会社でも、人と話すたびに何か間違ってたんじゃないかと後から何度も気にしたり、反省してしまう。誰も気にしてないのに、自分だけがグルグルと考えてしまう。
「どうして僕は“普通”にできないんだろう」そればかりを、ずっと責めてきた。

ある日、なんとなく聴いていたオーディオブックの中で、こんな言葉に出会う。
「“普通”なんて、誰かが勝手に決めた基準だ。自分をその型にはめようとすると、苦しくなる」…それを聞いたとき、思わず一時停止ボタンに手が伸びた。

なんだろう、胸の奥をつかまれたような気がした,,,

それから僕は、少しだけ立ち止まってみた。「僕はどうして“普通”でいようとしたんだろう」そう考えたとき、ふと頭に浮かんだのは、これまでの自分の選択や行動。確かに、世間から見たら不器用で、要領もよくなかったかもしれない。でも、そのときどきでちゃんと悩み、考えて、自分なりに歩いてきた。誰かのまねをするのではなく、自分の気持ちを大事にしながら。

もしかしたら、「普通じゃない」からこそ見えていたものが、あるんじゃないか。たとえば、誰かの小さな変化にすぐ気づけること。場の空気に敏感だからこそ相手の気持ちに寄り添えること。それって、ただの短所じゃなくて、僕だけの“持ち味”だったんじゃないかと。

「僕は、僕でいい」そう思えるようになったのは、歳を重ねてからだった。相変わらず、集団の中ではうまく振る舞えないし、人付き合いにも自信はない。

けれど、そういう自分を責め続けるより、少しでも認めてあげられるようになった。
それでもいい」と思えるだけで、世界の見え方が変わった気がする。比べすぎて苦しくなるよりも、僕にしかできないことに目を向けていたい。

この生き方を誇れるようになりたい。今日も人混みの中を歩きながら、また「普通」に悩むかもれない。でもそのたびに、こう言おうと思う。「僕は僕だと

タイトルとURLをコピーしました