第36話:焦らない、って決めた日

大人の 絵本

春の午後、僕は久しぶりに学生時代の通学路を歩いていた。満開の桜が風に揺れ、花びらが静かに舞い落ちる。​当時は、この道を毎日駆け足で通っていたっけ ⁉︎​  遅刻ギリギリで 笑 いつも時間に追われていたな,,,,

ふと、当時の自分を思い出す。将来への焦り、周りと比べての劣等感。​「 早く何かを成し遂げなきゃ そんな思いが心を締め付けていた。でも、何をどうすればいいのかが分からなく、ただ焦るばかりだった。

歩みを止め、桜の木の下でふかく深呼吸をしていると、花びらが肩にふわりと落ちてきた。「 焦らなくてもいいんだよ 」そんな風に、桜が優しく語りかけてくれる気がした。あの頃の僕に、この言葉を届けてあげたい。

今の僕は、あの頃思い描いていた自分とは少し違うかもしれない。でも、それでいい。寄り道や回り道をしながら自分なりの歩幅で進んできたその過程が今の僕を形作っている

桜の花びらが舞う中、再び歩き始める。「 焦らない、って決めた日 」それが今日だ自分のペースで、一歩ずつ。そんな歩み方も悪くないそう思えた春の午後17時09分。

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