霧がかった山道、僕はどちらへ進めばいいのか無意識に立ち止まる。
視界がぼんやりとしており、道の先が見えない。「どこへ向かえばいいのだろう…」
不安が胸を締めつける。
ゆっくりと、一歩を踏み出す。
足元の小石を蹴飛ばし、湿った空気の匂い、五感を研ぎ澄ませながら慎重に歩く。
「 この道で合っているのか? 」
確信はないが、歩みを止めなければ、何かが見えるはずだ。
霧の中、かすかに木の隙間から光が差し込む。
不安だった足取りが少しずつ軽くなっていくのを感じた途端、急にお腹が空きだす。先を急ぎたい気持ちだが、弁当を食べよう ,,, 進んでいる限り、いつか霧は晴れる。
ふと、霧が少しずつ薄れていくのを感じた、目の前には穏やかな景色が顔をだす。
「 進んで、よかった 」
振り返ると、霧の中に続いてきた道がうっすらと見える。迷いながらも歩いてきた自分を、少しだけ誇らしく思う。
山道を抜けると、広がる青空と美しい景色。
「 弁当の時間も、無駄じゃなかったんだ 」と思えた時、また新しい道が開けていく気がした。