ふと立ち止まり、これまでの自分を思い返した。あの頃は、目の前のことに必死で、遠くの未来なんて考えられなかった。
嬉しかった日も、何もかもが嫌になった夜も、ちゃんとここに繋がっている。どれも必要な時間だったんだと、今なら少しだけ思える。ずっと前に通り過ぎた景色が、こんなふうに優しく思い出される日が来るなんて、当時は想像すらできなかった。
後悔ばかり数えていた時期があった。“なんであのとき、素直になれなかったのだろう“と、何度も自分に腹を立てては人のせいにしてみたり、環境を責めたり、愚痴を言って少しだけ気持ちを紛らわせていた。
でも、どれだけ言葉にしても、心の奥に残るのは情けなさだった。毎晩のように、同じ後悔をぐるぐると繰り返す日々。そんなふうに過ごしている自分が嫌で、余計に苦しくなることも多かった。それでも、あの頃はそうやってしか前を向けなかったんだと思う。
これから先のことを考えると、やっぱり不安があるのも事実。また同じように後悔するかもしれないし、思い通りにいかないこともきっとたくさんある。
でも、それでもいいんだと思えた。正解なんて誰にもわからないし、迷うことも弱さじゃない。不安を抱えたままでも、前に進めると知ったから。何度だって立ち止まっていいし、遠回りしたってかまわない。それが僕の生き方だ。
過去も未来も、どちらも僕の大事な一部だ。後悔も希望も、失敗も小さな誇りも、ぜんぶまとめて抱きしめていたい。
どれかひとつでも欠けていたら、きっと今の僕にはなれなかった。完璧じゃなくていい。不器用でかまわない。いや、むしろ不器用の方が良いのかもしれない 笑 そう思うようにしたことが、心を軽くしてくれた。
今日までの全てが、これからの僕を支えてくれる。だからもう、過去を責めるのはやめよう。これまでの僕に「ありがとう」と、少しだが思えるようになった。
どんな未来が待っていても、きっと大丈夫だ。これまでと、これからと、両方を信じて歩いていく。
そう思えた今日が、少し特別に感じられた。きっとまた迷う日も、立ち止まる夜もあるだろう。それでも、歩いてきた道を抱きしめながら、この先の景色を楽しんでいきたい。
僕は僕の選んだ道を、これからも歩いていこうと思う。