ふと立ち止まって振り返った時、僕の人生は「選択」の連続だったと思う。進学、就職、転職、誰と付き合い、誰と別れ、どこに住むか。どの選択も、その瞬間には正解がわからなかったし、選んだあとも、「これでよかったのかな」と迷い続けていた。けれど気づけば、そんな選択の一つひとつが、今の僕をここまで連れてきてくれていた。
あのとき、違う道を選べばよかった。そう思ったことも、正直たくさんある。もっと器用に生きられたら、もっと早く何かを掴めていれば,,, そんなことばかり考えていた。眠れない夜に、過去の自分を責めたこともある。「あんなふうに言わなければよかった」「あのタイミングで決めるべきじゃなかった」後悔は、いつだって隣り合わせで静かに僕を苦しめてきた。
でも今になって思う。あの遠回りの時間があったからこそ、出会えた人がいる。あの失敗があったから、大切なものに気づけた。まるで無駄に思えていた時間が、実は僕をゆっくり育ててくれていた。当時は気づけなかったけれど、不思議と、全部つながっている気がする。偶然に見えて、実は必然だったのかもしれない。
誰かに言われたからじゃない。周りと比べたからでもない。僕はちゃんと、自分で選んできた。うまくいかない日もあったし、間違ったと思ったこともたくさんあるけれど、それでも、自分の足で決めてきたという事実だけは、胸を張っていい気がする。完璧じゃなくても、不器用でも、それが「僕らしい道」だったんだと思う。
あの日の決断も、あの時流した涙も、ぜんぶ、今の僕にちゃんとつながっている。意味なんてなかったと思っていたことも、いまは大切なピースのひとつに思える。だからもう、後悔ばかりしなくていい。これまで選んできた道を、ちゃんと信じてあげたい。そして今日もまた、未来の僕に胸を張れるように、この道を、自分の足で歩いていこうと思う。