第31話:弱さを見せられる場所

中途半端 絵本

仕事帰り、ふらっと立ち寄った行きつけの居酒屋。「 おつかれさま 」その言葉に、思わずホッとする。

カウンターに腰を下ろし、一杯目のビールを静かに飲む。隣のお客と話すでもなく、店主も無理に話しかけない。時間と共に、心の中のもやもやが、少しずつほどけていく。

「今日も、頑張ったんですね」
ぽつりと店主が言った。その言葉に、なぜだろう? 急に胸が熱くなり、涙が出そうになった,,,

人前では言えない弱音やため息。
ここなら、無理に強がらなくていい気がした。
静かで温かい空気が、僕の弱さを受け止めてくれる、そんな大人の場所。

空になったグラスを見つめて、そっと笑った。
この居場所があるから、また明日も上を向いてガンバレる。

弱さを見せても
ちゃんと僕は僕でいられる 

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