朝の通勤電車。僕はドアの近くに立ち、吊革を握りながらぼんやり外を見ている。
「 今日もだるいな… 」車内はスマホを眺める人、目を閉じる人、無表情のまま立っている人。みんな、なんとなく同じ表情に見えた。
ふと、隣の席の人が窓の外をぼんやり眺めているのが目に入る。
「みんな、疲れてるのかな…」
いつもは気にしない車窓の景色が、今日はゆっくり流れ目に映る。自分だけじゃない、と思えたら少し気が楽になった。
別の車両をのぞくと、笑顔で話している人たち。「 元気な人もいるんだな 」その光景に、羨ましいと思いきや不思議とそうでもなく、
そういう日もあるんだろう、と思えた。
電車がトンネルに入る。窓に映る自分の顔を見て、「 あー、眠そうな顔してるな 」と思う。
でも、嫌な感じはしなかった。
「 まあ、こういう日もあるよな 」
そう思ったら、なんとなく肩の力が抜けた。
電車が駅に到着、ドアが開くと朝の空気が心地よく、少し冷たい空気が僕を元気づけているかのように感じた。重い足を一歩踏み出す。
「 まあ、行くか 」無理に元気になる必要なんてない。そう思えたら、ほんの少しだけ気分が軽くなった月曜日。