夜の車内、僕はハンドルに手を添え静かに息をつく。窓の外には、ぼんやりと流れる街の光。
「 ひとりだな…」
エンジンの低い音だけが、心の隙間を埋めるように響く。
周囲の車には家族や友人同士が乗っているのが見え、みな楽しげな笑顔、何気ない会話、その一瞬が眩しく感じる。
「 何だか、満たされない自分がいる ,,, 」
胸の奥がきゅっと痛む。
僕はシートにもたれ、目を閉じ孤独という波に静かに身を委ねる。
でも、その中でふと感じるものがあった。
「 この静けさ、悪くないかも 」
ひとりでいることは、寂しいだけじゃない。
誰にも邪魔されない、自分だけの時間。
音楽をかけ、心地よいメロディーが車内を満たす。
窓を少し開け、夜風の空気を大きく深呼吸をし体内に取り込んだ。
この瞬間も、僕だけの特別なもの 。
『 孤独を恐れるのではなく、受け入れる 』
そう思えた時、静かな強さが芽生えだす。
