僕は夕暮れの港に立っていた。海の波音が静かに響き、遠くの街明かりが水面を揺れる。
「 変わっていくのは悪いことじゃない。でも、なんだか疲れたな… 」
僕は、ふっとため息をついた。
日々の生活は忙しく、変化に追われている。新しいトレンドや周囲の期待に応えるために自分を変え続けてきた。
いつの間にか、自分が何を大切にしていたのかも忘れてしまった…
僕は変わらないものを探し求めるように港を歩き始める。
ふと、ベンチに腰掛けると、昔から大切にしていた小さなノートを取り出す。そこには、学生時代に書き留めた夢や、好きだった言葉が綴られていた。
「 これだ…変わってないのは、これだ 」
ページをめくるたびに、心の中の曇りが少しずつ晴れていく。
夕焼けに照らされたノートの文字が、過去の自分と今の自分を繋げてくれた。
「変わることは大事だけど、変わらない自分も大切なんだ」
僕は、揺れる波の音に耳を傾け、今の自分を受け入れる決意を固める。
日が沈み、港の風景が青みを帯びてくる。
「これからも、変わることを恐れず、でも自分の中の大切なものは守っていこう」
僕は静かに立ち上がり大きく背伸びをした。同時に、波の音も僕の背中を押し勇気づけて。