第13話:優しさは自分にも

中途半端 絵本


小さな花屋の前で、僕は足を止めた。店先には色とりどりの花が並び、優しい香りが漂っている。

今日は、ちょっと自分に優しくしよう

心の中でそうつぶやき、僕はそっとドアを開けた。

最近の僕は周囲の期待や仕事の忙しさに押しつぶされそうになっていた。いつも誰かのために頑張り、自分の気持ちを後回しにしてきた。

もっと頑張らなきゃ 」「 周りに迷惑をかけたくない

そんな思いが、僕の心を重くしていた。

花屋の店内を歩きながら、僕は一輪の小さな花に目を留める。鮮やかな色合いと、どこか控えめな印象が心に響いた。

これ、ください

店員に声をかけ、自分のためだけに花を購入。初めてのことだった。

家に戻り、花を小さな瓶に生ける。テーブルの上で揺れる花びらを見つめていると、少しだけ心が軽くなった。

自分に優しくするのも、大切なんだな

少しずつ、肩の力が抜けていく。

次の日、僕はいつもより穏やかな気持ちで仕事に向かった。

自分を甘やかすことが、他人に対しても優しさを持てることにつながると気づいたのだ。

まずは自分に優しくそして周りにもその優しさを広げていこう

今日、僕の心に小さな花が咲き、新たな一歩を踏みだす。

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