夜の街。 僕はネオンに照らされた静かな通りを歩いている。 少し肌寒く、風もある。
「 失敗は怖い ,,, でも、何もしないじゃ、何も変わらない 」
僕は自分に言い聞かせるように、静かにつぶやく。
これまで、僕は失敗を恐れて多くの機会を逃してきた。 友人との約束、仕事の挑戦、恋愛も「上手くいかなかったらどうしよう」という思いが先走る。
「また失敗し、笑われ、 嫌われるんじゃないか?」心の中の不安が僕を縛り付けていた。
しかし、何となく見た映画の言葉が、僕の心を熱くする。
「 失敗は、挑戦した証だ 」
その言葉に勇気をもらい、僕は小さな一歩を踏み出す。 まずは、以前から興味のある街角のライブハウスに行き演奏しようと思い、足を運ぶ。
ライブハウスのドアが開いた瞬間、心臓が大きく動いた! 知らない人たちが集まり、音楽に耳を傾けている。
僕の出番まで大分先だったはずなのに、もう次の出番にまで迫る。ガクッ ガクッ
演奏が始るが良い出来とはほど遠い、音を外し歌詞を間違えグダグダで終える。でも、観客は温かい気持ちを送ってくれた。
「 失敗した。でも、なんだか清々しい 」
僕は、失敗することが終わるのではないことを初めて悟った。
ライブが終わり、外に出て、夜空に輝く星が僕を迎えた。
「 失敗しても、またやり直せばいいんだ 」
僕はゆっくりと夜の街を歩きながら、次はどんな挑戦と失敗をしようかと、胸を膨らませた。